2012年9月10日月曜日

United States v. Lopez, 514 U.S. 549, 115 S. Ct. 1624, 131 L. Ed. 2d 626 (1995)

Facts

1990年 連邦議会はGun-Free School Zones Act (学校周辺からの銃器排除法)を制定。小中高校の周囲300メートルの範囲内での銃器所持を禁ずる。
1992年、テキサス州の高校生が校内での拳銃所持により、この法律に違反したとして訴追された。
被告人は、法律自体が違憲だと主張したが第1審の連邦地方裁判所で有罪とされた。
しかし、控訴審で主張が認められ、連邦最高裁も1票差でこの法律を違憲とした。

政府側の主張

①学校周辺での銃器所持は暴力的犯罪の発生につながり、それが社会全体へのコストとなって跳ね返り、州際通商に影響を及ぼす、
②暴力的犯罪の発生は、人々に危険な地域への旅行や移動をためらわせ、州際通商に影響を及ぼす、
③学校周辺での銃器所持は教育に影響を及ぼし、ひいては生産性の低い社会へつながり、州際通商に影響を及ぼす、として相当の影響を与える。

Holdings

従来の先例により州際通商条項の下で連邦議会が立法権限を認められるためには、
① 規制対象となる行為の性質が「経済的活動」(economic activity)であること、
② それが州際通商に対し相当の関係(substantial relation)をもつか、または相当の影響を及ぼす(substantially affect) ものでなければならない。

「経済的活動」というためには、それ自体が経済活動であるケースばかりでなく、より大きな経済活動に対する規制の本質的部分をなすものであってもよいが、どんな事柄も経済的活動の要素があると解釈してしまうと、それは州際通商条項による権限を一般的な福祉権能(a general police power)に変えてしまうことになるので、それはできない。

本件の規制対象である銃所持については、それ自体が経済活動でないことはもちろん、より大きな経済活動に対する規制の本質的部分をなすものともいえない。

州際通商との「substantial relation」、「substantially affect」という要素について
substantialという文言が重要であり、「相当に」というからには、単に影響があるというだけでは足りず、相当性の判断は裁判所が独立に行う。

政府側の主張については、いずれも相当の影響を及ぼすとはいえず、推論のうえに推論を重ねて結論を導くものだと批判した。