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2013年3月31日日曜日

オバマケア合憲判決

Summary of the Facts

2010 年3月、オバマ政権が,国民の6人に1人が無保険という「無保険社会」解消をめざして医療保険制度改革法(通称「オバマケア」)を成立させた。
しかし,同法で国民すべてに医療保険加入義務を課した,いわゆる「インディビデュアル・マンデート」(保険加入義務付け条項)が定められたことに対し,フロリ ダ等26の州が原告となって「国民に民間商品の購入を義務付けるのは憲法違反」とする訴訟が起こされた。
連邦地裁・控訴裁レベルにおいて「合憲」「違 憲」の判決がほぼ拮抗してきた。

Holding

2012年6月28日,米最高裁は「(大筋において)合憲」とする判決を下した。

Facts

オバマケアでインディビデュアル・マンデートが定められた理由は「逆選択(reverse selection)」を防止することだった。同法では,保険会社に対し「既存症の存在を理由に保険加入を拒否してはならない」と定めていたが,もしイ ンディビデュアル・マンデートを課していなかった場合,「病気になってから医療保険に加入する」行為が蔓延する危険があった。
 共和党・保守派: オバマケアを葬り去るため、共和党が知事の座を押さえるフロリダ等26の州が原告となって, 「インディビデュアル・マンデートは憲法違反」とする訴訟を起こした。

 ホワイトハウスの主張: 連邦政府には,複数の州にまたがって行われる経済活動を規制する権限が憲法の『通商条項』で認められ ている。医療保険というビジネスを規制するに当たって,インディビデュアル・マンデートを課すことは『通商条項』(連邦政府が複数の州 にまたがる通商行為を規制する権限)で認められた権限の範囲内。

 連邦地裁・控訴裁レベルでの判断は合憲と違憲がほぼ拮抗,論争決着の場は最高裁に持ち越された。

Issues

インディビデュアル・マンデートは憲法が認める連邦政府の権限を逸脱しているか。

Holdings

  • 米最高裁は,オバマケア違憲訴訟で最大の争点となった「インディビデュアル・マンデート(保険加入義務付け条項)」について,「連邦政府が持つ徴税権の範囲内」として合憲とする裁定を下した。
  • インディビデュアル・マンデートは通商条項で認められる権 限を越え,憲法違反。
  • インディビデュアル・マンデートは,具体的には,保険に加入しなかった人に対し国税当局が罰則金を課すという仕組みで運営されることに なっており,これは,憲法が連邦政府に付与するところの『徴税権』の行使にほかならない。『徴税権の行使』という観点から見れば,合憲で ある。

 

2013年3月27日水曜日

同性婚訴訟審理が連邦最高裁で始まる

Facts

  • カリフォルニア州で2008年11月の住民投票で、結婚を男女間に限定する州憲法の修正条項が可決された。
  • 住民投票では52%が同性婚禁止を支持したが、約半年前に州の裁判所の下した判断は、結婚は基本的権利であり、同性カップルにも認められなければならないとの内容だった。
  • 2013年3月26日、連邦最高裁で審理が2日間の日程で始まった。

争点

  • カリフォルニア州憲法の同性婚禁止の規定が法の下の平等を定めた合衆国憲法に違反するかどうか。

Note

  • 世論調査では同性婚を支持する市民は増えているものの、30州で禁止されており、合法化しているのは9州のみ。
  • もし同性のカップルにも憲法上の権利があると認められれば、全米50州で同性カップルの結婚に道が開ける。一方で、同性婚容認の流れを大幅に後退させる判決が出る可能性もある。あるいはその中間の判決に落ち着くかもしれない。
  • 最高裁判事9人の意見は大きく分かれている。26日の質問内容から判断すると、リベラル系の判事4人は同性婚を支持する立場、保守系の3人は反対の立場とみられる。この日質問しなかった1人も反対に回る公算が大きく、残る1人が決定権を握ることになるかもしれない。
  • 26日の審理では原告団に加わった同性カップルが証言に立ち、州は性的指向を理由に自分たちを差別していると主張。「私たちは結婚を覆そうとしているわけでも、定義し直そうとしているわけでもない。ただ平等はこの国の根幹をなしていると言いたいだけだ」と訴えた。
  • 27日も同性婚禁止を巡る別の訴訟事件の審理が行われ、判決言い渡しは6月になる見通し。