Facts
児童労働が社会問題として顕在化し、それぞれの州が適切に対応できないことが明らかになると(それぞれの州の使用者は、自州だけ規制すると他州の業者との間で競争上不利になるとして反対した)、1916年に連邦議会は児童労働規制法を成立させた。同法は、14歳未満の子どもが製造に関わつた製品の州際通商を禁上した。これが違憲だとして争われた。
Holdings
この法律は州際通商条項に基づくものとはいえない。違憲。
多数意見
先の連邦富くじ規制法等の事例では、州際通商の対象物そのものが悪いものや危険なものであり、そのようなものの州際通商を規制しているのに対し、児童労働によって製造された製品自体は危険でもなければそれ自体が悪いものでもない。問題はその製造過程にあり、それは伝統的に州が州民の健康や安全を図るために有するpolice power(福祉権能)によつて保護すべきものである。州内の製造に関わる事項は州の領分であり、それは第10修正も明示する。
反対意見 ホームズ裁判官
この法律は州際通商の場面(製品の州際間の移動)だけを規制しており、州に委ねられた事項を侵害するものでない。